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生命保険で損をしないために

転換、払済

   

転換

Aさんの見直しポイントとしては関連性が低いですが、双方とも重要な言葉ですのでとりあげていきます。

「転換」=やってはいけないこと
「払済」=有効な手段

おおむね、このような理解でよいです。
「転換」とは、いまの契約を解約し、その解約返戻金をそのまま新規契約の保険料としてしまう手法です。転換をすすめられるのは、ほとんどが予定利率のよかった時代の保険、「お宝保険」を持っている方です。

契約者のメリットはほぼないので、「契約者のデメリット」と「保険会社のメリット」を見ていきましょう。

 

契約者のデメリット

◯ 高かった予定利率が現在の史上最低の予定利 率になってしまう。
◯ 解約返戻金は支払った保険料を下回ることが 多いので、解約した時点でまず損をする。
◯ 解約時点の年齢で新たな保険に入るため、予定 利率低下とともに保険料も割高になる。
◯ 新しい商品=複雑で損な商品をすすめられる 可能性が高い。
◯ 総じて、「価値ある良い商品を安く売って」、「悪 い商品を高く買う」といえる。

 

保険会社のメリット

◯ 保険金を満額支払わなくていい。解約時点で まずは転換前契約の利益は確定。
◯ ついでに次の契約もとれる。
◯ 解約返戻金を新しい契約の保険料にあてるの で、保険料を安く見せることができる。
◯ 営業員は新規契約のコミッションが得られる。

転換によって契約者が利益を得ることはほぼありません。「転換」という言葉が出たら、「人を見たら泥棒と思え」です。
ごく稀に「損をしてでも、養老保険から定期死亡保険などまったく違う保険に入るどうしようもない事情」があるというケースがあります。その場合は、転換の条件を細かくチェックして、どの程度の損かをよく確認してください。

 

払済

生命保険見直しの有力な手段です。ある時点で保険料の払込を中止して、中止時点までに支払った保険料で保障額が決まります。終身保険であれば、額は下がっても終身の保障期間はそのままです。
架空のモデルでわかりやすく説明します。
1998年に契約した1,300万円の終身保険に月2万円払っている男性がいるとしましょう。不景気で給与は上がるどころか、目減りしています。子供も小学校に入ったので、今後の学費などを用意するため、月の保険料負担を軽減したいという希望を持っています。

この場合、払済が有効です。払い込んだ保険料は15年分で360万円です。解約すると返戻金は320万円ですからかなりの元本割れです。これを払済にすると、保障額は600万円と下がりますが、終身保障を維持したまま、置いておけます。子供が独立するまでの10年間ほどは、1,000万円の掛け捨ての定期保険を追加し、保障を補います。年齢を45歳とすると、月5,700円ほどで入れますから、毎月14,300円の家計負担軽減になります。

払済は、解約返戻金の利率が大幅に上がります。これもメリットといえるでしょう。

 - 生命保険見直しのポイント