生命保険のサイト

生命保険で損をしないために

基礎保障

   

基礎保障は、契約時の保険料や利率は固定され、保障も一生涯続き、いつ死亡しても満額が受け取れるいわゆる終身保険の部分です。Aさんのアカウント型の場合、基礎保障に該当するものがありません。<主契約>とされているファンドは、保険料からアカウント(口座)に預金がたまっていくだけですから、保険の保障機能がなく、銀行預金と同じです。引き出しに手数料をとられるなどしますので、預金の方がいいくらいです。

基礎保障を構成する終身保険の価値は、利率に大きく左右されます。景気のよかった1985年頃、予定利率は6%もありました。このように利率が高ければ、高利率を何十年も保持でき、死亡保障がある終身保険は有利な商品です。

人生における基礎保障は必要ですが、それが「生命保険」とは限りません。現在の予定利率は1%前後という大変低い水準です。もともと保険の利率は、払い込んだ保険料から保険会社の手数料を引いた「純保険」に掛かってきますから、利率が1%で手数料部分が50%だとすると、実質利率は半分の0.5%となります。

いくら死亡保障があっても、この低利で何十年も資金を拘束されるのは考えものです。解約返戻金が払い込んだ保険料を超えるのもかなり先です(25年後など)から、解約も簡単にはできません。やめようという場合、急にお金が必要という以外は、「払済」にして払い込んだ保険料の分の保障を維持したまま、以後の保険料の支払をストップするのが賢明です。

最近は、「新終身保険」などというものもあり、注意が必要です。数々の特約がついてややこしさは、アカウント型級です。ある大手生保の「新終身保険」は、支払った保険料に比して年毎に受け取れる死亡保障が増えます。5万円払って55,000円、翌年は89,000円の累計払込保険料に対して10万円の死亡保障というように増えていくのです。「新」などという名前がついていますが、「ほとんど死亡保障のない終身保険」です。加入しても意味がないと感じます。

低金利のいま、基礎保障は「終身保険で用意する保障」という固定観念を捨てて、「人生の基礎保障」と考えなおし、終身保険でなく、少しでも掛け金の安い定期保険と貯蓄や定期預金、国債などを組み合わせてカバーすることも考えるべきだと思います。

 - 生命保険見直しのポイント