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ざっくり正しく生命保険を理解する

      2013/02/10

保険会社の巧妙な仕掛けにかかり、余計な保険料を保険会社のために支払うのを避けるためにも、まずは保険の基本を理解しましょう。保険商品は車のように実体がなく、理屈だけで構成されていますから、基本の理屈を理解することはとても大切です。ここでは、「ざっくり理解」が大切ですから、ポイントを2つに絞ります。

  1. 保険は営利目的の金融商品
  2. 生命保険は3種類

 

1 保険は営利目的の金融商品

最初に押さえるべきポイントです。保険の原型が始まった古代ローマ時代、今日の形を整えつつあった中世のイタリアではどうだったかわかりませんが、現在の保険は、完全な営利目的の金融商品です。

追って詳しく見ていきますが、皆さん契約者が商品を理解しないほど、保険会社は儲かります。加入者が内容を理解しない方が保険会社は利益を乗せることができるため、生保商品はどんどん複雑化しています。その点では、適正な保険選びは難しさを増しているといってもいいでしょう。

この点を理解することは簡単なようですが、とても重要です。生保の営業担当者は、「相手やその家族のために詳細に設計してきました」などといいますが、営業担当者は売り上げのために商品を売っているのであり、あなたのことなど二の次、三の次です。

どんなに人柄が良い営業担当者であっても、人を見て判断してはいけません。保険は数字だけで判断すべき「純粋な金融商品」でありかつ「平均で2,000万円といわれる大変高価な買い物だ」ということを忘れないでください。職場に生保レディが来ても、仕事モードをスイッチオフにせず、仕事モードの厳しい目線で「営利目的の金融商品」をチェックしてください。

 

2 基本は3種類

「生命保険はいろいろあるし、細かくてわけがわからない」という声をよく聞きます。

保険はもともと実体がなく理屈だけで構成された商品ですから、おどろくほど言葉のマジックを多用します。消費者も「まあ生命保険だからこんなものか」といって契約してしまいますから、会社にとっては消費者がわからないほうが都合がよいという側面もあり、複雑化、不明瞭化しています。例えば、以下の2つです。

  • 積立利率変動型終身保険
  • 利率変動型積立終身保険

勘違いで書き間違えそうなくらいややこしいです。言葉が似ているので、内容も大差なければよいのですが、実は決定的に違う商品です。これらの商品についての説明は後ほどするとして、ここでは、重要かつ紛らわしい言葉が多いということを認識してください。

そして、見直し検討の際に各社の資料をチェックするとしても、こういったわかり難い言葉や理屈の罠がたくさん並んでいるのですから、自分自身で正しく見直すには基本の理解は大変重要なのです。

生命保険は大別して「死亡保険」「生存保険」「混合型保険」の3つです。どんなに複雑に組み合わされた抱き合わせ保険でも、この3つから構成されています。

「死亡保険」は、設定された保険期間のうちに被保険者が死亡(または高度障害)となった場合に契約した額の保険給付金が支払われ、期間を限ったものを定期保険、期間が一生涯に渡るものは終身保険と呼ばれます。

「生存保険」は、文字通り保険期間以上に被保険者が生存した場合に、契約した額の保険給付金が支払われます。個人年金保険や貯蓄保険、こども保険などが該当します。

「混合型保険」は、「養老保険」とも呼ばれます。死亡保険と生存保険を混合させたもので、満期を設定し、それ以前に死亡しても、満期時に生きていても保険金が支払われます。

下図の法的分類における損害保険は「自動車保険」や「家財保険」などですから、本稿では直接関係ありませんが、1996年の新保険業法により、生保、損保各社の第三分野への参入が始まったので、整理のため掲載しました。

元々は3つである生命保険も、一昔前まで生保各社の看板商品であった「定期特約付終身保険(お祝い金付き)」などのように組み合わせて販売され、なおかつ数多くの「特約」がついてくるため、「わけがわからない」「難しい」と思わされ、「まあ皆さんに人気の商品ですから大丈夫ですよ」などといわれると「そんなものか。大会社の商品だし」などとつい思ってしまうのです。

 

生命保険加入率

生命保険加入率

生命保険の世界シェア

生命保険の世界シェア

 

 

第一、第二、第三という棲み分けが緩和されて以降は、ますますややこしくなってきています。例えば「何歳でも入れます」というようなキャッチフレーズのCMがありましたが、実はあれは損害保険です。お年寄りが見れば「医療保険」(生命保険)だと思ってしまうでしょう。こうなるともうややこしいを通り越しています。

しかし、どんなに複雑でも生命保険の基本は前記の3つであり、販売会社が◯◯生命だろうと◯◯損保だろうと同じです。内容が理解できない複雑な保険商品は「面倒だしわからないからやめた」でよいのです。君子危うきに近寄らずです。

「複雑なのは面倒だから、要不要も含めて、終身は終身、定期は定期、医療は医療でそれぞれ別個に考えよう」が実は最も正解への近道です。

そう、保険はシンプルイズベストなのです。

 - あきれた、日本の生命保険