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生命保険で損をしないために

国民の8割が加入する生命保険大国、日本

      2013/02/10

日本は世界有数の保険大国です。20〜60歳代の日本人約8割が生命保険に加入し、平均加入件数は約4件、一世帯あたり年間平均にして45万4,000円もの保険料を支払っています。(出所:(財)生命保険文化センター調査 『平成21年度 生命保険に関する全国実態調査』)

金融や契約が得意とは思えない日本人がどうしてこれほどの保険契約を積み重ねているのか? 国の保険制度も含め様々な保険を厳密に検討し、必要なものを選別した結果とは考えられません。それはこんな声が圧倒的だからです。

 「皆、入っているから」

「保険くらい入っておかないと」

「将来が不安だから」

「安心料でしょう。保険だから」

さらに、年間45万4,000円もの支払いを重ねる保険の中身については、

「人気の商品といわれたから」

「保険会社が自分にあわせて考えてくれた」

「細かいことは難しいからよくわからない」

「よさそうだったから」

というようなケースがとても多いのです。日本人が生涯に払う生命保険金額の平均は約2,000万円といわれています。どの数字を見てもとても「なんとなく」で支払える金額ではありません。

スイス再保険会社の調査によると、日本の保険料総額はアメリカと同程度です。人口はアメリカの半分以下ですから、一人当たり倍の保険料を支払っていることになります。

さらに、国民皆保険制度がとられている日本では、この45万4,000円に公的保険・年金の負担が加わります。ちょっと計算してみましょう。

厚生労働省の国民生活基礎調査による総所得の全世帯平均(2010年)は550万円ですから、大まかに健康保険・厚生年金の保険料月額を計算すると、健康保険54,144円、厚生年金77,136円となります。保険料は会社と折半ですから、個人負担は、27,072円+38,568円=65,640円となり、年間では78万7,680円となります。

病気やケガ、老後のための支出という意味では、国だろうと民間だろうと、加入者側にとっては同じことです。「保険・年金負担」として合算すると年間の費用は、

454,000円+787,680円=1,241,680円

となります。1日あたりにすると約3,400円。

実に年収の23%ほどを保険や年金に支払っている計算になります。エンゲル係数がおおむね23%程度ですから、毎日、食費と同じくらい保険・年金にお金を払っているということになります。

民間の45万4,000円だけで見ると、年収の8%になります。365日で割ると1日あたり1,200円ほどを支払っているわけです。月払いや年払いの口座引き落としでは感覚が鈍りますが、平日休日問わずに毎日毎日保険会社が「こんにちは、今日の保険料を頂戴にきました」といって、1,200円を集金にきているのと同じことです。

一般家庭では家計は楽ではないはずです。国税庁の調査によれば、サラリーマン世帯だけでみると、平均年収は1997年には467万円でしたが、2010年には412万円まで減少しています。毎日の食費を節約するために、スーパーでは少しでも安くて質の良い買い物をしようと努力しているのではないでしょうか。

生命保険だって、スーパーの買い物と同じです。安くて良いものは自分で探せます。「保険だから」とか、「安心料」などというのはイメージに過ぎないのです。

生命保険の基本構造

生命保険の基本構造

法的分類

法的分類

 

問題は生命保険の入り方です。どのような生命保険に入るのか、そしてそれはあなたの生活設計に適したものか、コストパフォーマンスに優れているかです。

皆さんの保険料が、一世帯あたりの年間平均生命保険料45万4,000円を超えていても、中身を検討され、比較し、必要なものであると判断された結果であればなんの問題もありません。

しかし、日本人がこれだけ高額の保険料を払っているのは、適正な検討の結果とは思えません。自分の保険が適正かどうかを検討することなく支払い総額さえわからないまま契約し、その後見直すこともなく口座から保険料が引き落とされているというケースがあまりに多いからです。

車を購入する際、ディーラーにどの車種や色が人気かを訪ねることはあっても、実際の商品を見なかったり、排気量や燃費を確認しないということはないでしょう。ましてや、支払い総額を知らないということはあり得ません。

平均して車よりも高額である生命保険はどうしてこのような中身もわからない状態で売れてしまうのか? そこには、累々と積み重ねてきた保険会社の巧妙な仕掛けがあります。

 - あきれた、日本の生命保険