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総合保障タイプ

   

「更新」という言葉に注意

何でもありな感じは、定期特約付終身保険(アカウント型)と似ていますが、さらに上をいっています。終身保険なしのパターンがあるのは大きな違いですから、区別して「総合保障タイプ」としてみました。共済にも同じ様な名前の商品があります。

漢字系大手生保のうちの数社がメインに販売しているようです。保障のほぼ全てが特約です。「リスクに合わせて、自由に組み替えられる」のが売りなようですが、いろいろ調べた結果、自分は一切手を出さないことにしました。君子危うきに近寄らず。

というのも、パンフレットや名前はいかにも洗練されていますが、更新型が多く、10年とか15年という更新年毎に保険料が大幅に上がり、高すぎて払えたものではありません。その上、結局2,500万円などという高額を払って、大した病気もせずに無事往生したら、200万円しか受け取れないなどというのはザラです。

しかも、病気やケガのリスクが高くなる60歳までが手厚く、本当に保障が必要な高齢になると保障なしということも多いため、多種の保険を用意したいと思うなら、終身保険、定期保険、医療保険などを、それぞれに契約した方が良いと判断しました。

具体的には、平成29年(2017年)現在、次のような商品があります。

  • 日本生命「みらいのカタチ」
  • 明治安田生命「進化する保険 ベストスタイル」
  • 住友生命「生活保険 ワンアップ」
  • 第一生命 なし「ブライトWay」=定期特約付終身保険
  • 朝日生命「保険王plus」(男性用)、「やさしさプラス」(女性用)
  • 太陽生命「保険組曲Best」

いかにも大手の広告代理店が考えそうな名前が並んでいます。明治安田生命の「進化する保険」というキャッチコピーは、表裏を言い得て妙です。たいてい、コースがいくつかあります。「医療リンクサポート」、「療養費ワイドサポート」、「生活費ロングサポート」、「ご遺族ライフサポート」などです。

どれも特約の塊です。損せず役に立てば特約でも何でもいいのですから、中身をみるため、明治安田生命HPのシュミレーションをやってみます。他の商品も大筋は同じ営業ノウハウでつくられていますから、ここでは、一事が万事と決めました。別途、商品例のコーナーでは、複数の商品をみてみます。

具体例

明治安田生命「進化する保険 ベストスタイル」
「医療リンクサポート」のシュミレーション

設定:30歳男性、定期保険特約3,000万円
保険料月額:16,145円
保険料年額:19万3,740円
保険料総額(10年分):193万7,400円

内容:(全て特約、介護サポート終身年金特約以外は全て更新型)

  • ・生活サポート終身年金保険:年額 240万円
  • ・定期保険特約:3,000万円
  • ・がん保障特約:300万円
  • ・がん・上皮内新生物保障特約:60万円
  • ・重度疾病継続保障特約:300万円
  • ・新・介護保障特約:200万円
  • ・新・入院特約:日額5,000円
  • ・入院治療保障特約Ⅲ型:診療報酬点数×3円
  • ・先進医療保障特約:先進医療の技術に係る費用と同額
  • ・退院後通院治療保障特約Ⅲ型:初回通院時1万円、診療報酬点数500点未満は日額1,500  円、500円以上の場合は診療報酬点数×3円
  • ・外来時手術保障特約:診療報酬点数2,000点以上の手術の場合は5万円、放射線治療を受け た時は10万円
  • ・介護サポート終身年金特約:年額60万円、もしくは死亡時は年額の10%=6万円

30歳の健康な男性に勧める商品とは思えません。両親と子供2人の普通の家族に戦闘装甲車を勧めているような感じです。確かに、何かの都合で戦闘に巻き込まれることはあるかもしれません。絶対100%ない、とは言い切れませんよね? 未来のことですから。

30歳からの10年間に絶対100%何もない、とは言い切れませんし、さらには何もなくたって、普通の車より戦闘装甲車の方が安全とはいえます。でもやっぱり戦闘装甲車は買いません。100%戦闘がないとは言い切れなくても、車を買うなら普通乗用車にします。分厚い装甲も機関銃も要りません。この保険からは、そんな印象を受けました。

「更新」が怖い

さらに、「進化する保険 ベストスタイル/医療リンクサポート」という戦闘装甲車には「更新」という特殊車ならではの超高額メンテナンス料がついてきます。

最後の「介護サポート終身年金特約」以外は全て10年更新です。10年毎にビックリするほど保険料は上がります。増額幅はあくまで推測ですが、大手漢字系生保の更新パターンをみていると、10年後の40歳時には月額24,000円、50歳で32,000円、そろそろ病気が心配になる60歳には40,000円、70歳の老齢になったら月に55,000円などという残酷なことになります。

上記仮の金額で払ったら、80歳までに約1,800万円です。仮の金額は適当に考えましたから、実際は2,000万円超えるでしょう。高すぎます。終身保険が入っていませんから、生命保険会社にとって、死んだら確実に払わなくてはいけない積立型の金はないのです。

定期保険特約が3,000万円ついており、「90歳まで更新できます」とHPにはありますが、酷い。10年毎に更新し続けて100歳まで保険料払ったら、総額はすごいことになるでしょう。しかも、101歳まで長生きしたら0円、全部保険会社に寄付です。しかも、基本掛け捨てですから更新しなかったら即、保障もなしです。更新型は恐ろしいです。自分は更新型の保険は一切購入していません。

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