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日本は生保王国、40兆円を集める強力な集金力

日本人は生保が好き。10世帯のうち9世帯が生命保険に加入し、世帯加入率は89.2%にもなります。市場規模は約40兆円あり、米国に次いで世界第2位。日本と米国だけで世界市場の4割を占めるといわれます。

米国は国による国民皆保険制度ではありませんから、国民全員が国に公的医療・年金保険料を徴収されている日本とは事情が違います。それらを払って、さらに世界第2位の民間生保保険料を払っているのですから、すごいです。

平成27年(2016年)の生保各社売上高をみてみましょう。

売上高トップ20

参考に製造業の売上は何社かみてみます。トヨタ 28.4兆円、ホンダ 14.6兆円、セブン&アイ 6兆457億円、東芝HD 6兆699億円、マツダ 3兆4千億円、スズキ 3兆1,800億円、キャノン 3兆8千億円、NEC 2兆8,218億円。

日本生命の売上高は、一つ一つ自動車をつくって商いをする世界一の自動車メーカー、トヨタの5分の1弱、小売大手セブン&アイと同等、マツダ、スズキ、キャノン、NECを遥かに上回ります。傍目には、金勘定と集金システムだけの虚業が、と率直に驚かざるを得ません。

日本生命の経常利益は5,375億円、同じ規模の流通最大手セブン&アイの経常利益は3,644億です。生保というのは、随分効率よく儲かる商売のようです。

最近は虚業という言葉を使わなくなりましたが、このあたりの感覚は変えない方がよいと思います。日本で近代生命保険が始まった19世紀、「人の生き死にで金儲けするのか」と侮蔑され、普及が進まなかったといいます。当時の日本人は随分と考えが進んでいたようです。必要があって生命保険を利用する場合にも、この感覚は忘れてはいけません。

契約した保険会社が倒産したらどうなる?

終身の保険を契約してしまうと契約期間が長くなることが多いため、契約生保の倒産は困った問題です。ちなみに、破綻した生保はどのくらいあるのでしょうか? 調べてみると8社ありました。

  • 平成20年(2008年) 大和生命
  • 平成13年(2001年) 東京生命
  • 平成12年(2000年) 共栄生命
  • 平成12年(2000年) 千代田生命
  • 平成12年(2000年) 大正生命
  • 平成12年(2000年) 第百生命
  • 平成11年(1999年) 東邦生命
  • 平成9年(1997年) 日産生命

契約者は、生保が潰れようがどうしようが自分の契約さえ守られればそれでいいわけですが、やはり巻き添えは致し方なく、減額されるようです。「自己責任」なんて言葉は少しでも聞き入れてはいけません。すべて会社と監督官庁の責任です。

最近の破綻は、平成20年(2008年)10月10日に倒産した大和生命。保険料収入の低迷を証券化商品などの高リスク商品で穴埋めしたものの、金融市場の混乱により値下がり、650億円近くの債務超過となり破綻。要するに放漫経営による破綻です。被害者は12万人にも及びました。

当時の報道をみると、平成3年(1991年)契約者の終身年金保険はなんと最大76%減額。年間100万円の年金保険に入っていたら、たったの24万円になってしまったのです。大和生命は先に破綻した大正生命の契約者を引き継いでいますから、二重に減額され、87%減額という方もいたそうです。

「大和生命の保険金・年金額の変更モデル」による、他の減額率は次のようになっています。30歳男性の場合です。( )内は契約年度

〈12年保証期間付き逓増型終身年金保険〉
15%(2007年)、34%(2003年)、42%(1999年)、65%(1995年)、76%(1991年)

〈養老保険(満期30年)〉
7%(2007年)、8%(2003年)、15%(1999年)、33%(1995年)、43%(1991年)

〈定期保険特約(満期30年)〉
2%(2007年)、0%(2003年)、1%(1999年)、0%(1995年)、0%(1991年)

生保倒産時の基本ルール

倒産時の基本は決まっています。
契約した生保が倒産した場合、国内で事業を行うすべての生命保険会社が加入する「生命保険契約者保護機構」という組織により一定の契約者保護が図られます。この保護機構が、破綻した生命保険会社の契約を引き継ぐ会社に対して、必要に応じて資金援助を行います。

生命保険会社は、保険金・年金・給付金等の支払いに備え、収入保険料の一部を積み立てており、これを積立金を責任準備金といい破綻時にも使われます。

破綻保険会社と保護機構の間で「補償対象保険金の支払いに係る資金援助契約」が締結された場合、従前の保険金額の90%(高予定利率契約については減額)の額で保険金等の支払いが行われます。

というようなことなのですが、実態は上述の大和生命破綻のようになっています。

傾向としては、貯蓄性・保険料ともに高く、契約者が身を削っている終身保険、養老保険、個人年金保険ほど減額率が高くなります。また、契約者に有利な利率が高いものも減額率が高くなります。一方、貯蓄性はないが、保障性の高い掛け捨ての定期保険、医療保険は減額率が低くなります。

払わなくてはいけないものは減額率を高くして逃げ、払う可能性の低い掛け捨ては、減額率を低くしておくということです。

倒産となった場合、保険契約の移転が完了するまで解約できませんし、解約にあたっても減額されることがあります。

日本で営業する生命保険会社(全41社)

(平成29年5月現在・順不同)

相互会社(5社)

株式会社(20社)

外資(16社)

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